我慢

今日はこんな話をさせてください。

『意地悪なおばあさんと、お手伝いの娘』の話です。

あるところに、一人の口やかましい老人がいました。
そこに一人のお手伝いの娘さんがやってきました。
そのおばあさんはあまりに口やかましくて、お手伝いさんが長続きしませんでした。
新しい娘は、本当にお金に困っていたので、何とか続けようと決心していました。

まず一ヶ月が過ぎました。
娘は、思ったほどではなかったと安堵していました。
3ヶ月が経ち、娘もかなり仕事に慣れてきました。
そんな頃から、おばあさんの口うるささが気になり始めました。
仕事を失いたくない娘は、毎朝「今日、おばあさんに腹を立てませんように」と
祈っては、おばあさんの家に出かけました。
でも、そんな祈りはむなしく、おばあさんの一言でムカついて気分を悪くするのでした。
そんな日々が続く中で、娘は疲れてしまいました。

ある朝、どうしてもおばあさんに会いたくなくなりました。
でも、その仕事をなくしたら、娘は生活していけません。
「もういいわ、こんなに我慢しなくなって、怒ったっていいわ」
いつもの祈りはせず、こう自分に言い聞かせて出かけました。

するとどうでしょう。
いつものおばあさんの一言で、腹が立たないではありませんか。
娘は狐につままれたような気分になりました。
次の日も、次の日も、同じようにやってみました。
まぐれでは無く、同じように腹が立たなかったのです。
気がついたら、おばあさんの口うるささがなくなっていました。

その時、娘は気づいたのです。
おばあさんの一言を言わせるようにしていた原因に。
そうなんだわ、私の態度がおばあさんにあの「一言」を言わせていたんだわって。

その後も時折、口喧嘩をしながら、でも仲良く娘とおばあさんは過ごしたそうです。